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校長より

夏休みに読んだ本(その2)

ひんやりとして空気に包まれる今、

夏休みの報告をするには、やや時期を逸ししまいました。

そうはいっても、まだ終わっていない、

夏休み期間に読んだ本の報告を続けます。

 

「私たちはどんな世界を生きているか」西谷修 2020 講談社現代新書

 表紙の帯に「激変する世界の動態を現代思想の鬼才が解き明かす!」と書かれており、恐ろしい現状を感じる内 容でした。“テクノロジーは有益な道具をつくり出すと見えて、人間の制御できなおい結果を引き出すものとなった”、情報については、“真実が通用する時代は終わり、正確さや信頼より、好みや気分にあったものが反復され増幅されていく”と現代の課題を表しています。「自由とは限界との関係」で「他があって自分がある」という言葉が印象的です。

 

「きみの町に未来はあるか?『根っこ』から地域をつくる」除本理史・佐無田光 2020 岩波ジュニア新書

 地域社会づくりの考え方について平易な言葉で書かれています。同じ価値観を持つ、多様な立場や考え方の人によるつながりにより、地域において価値ある何かが生み出されていくとのこと。“地域は一つの『生態系(エコシステム)』で、様々な主体が関わりあい、つながり、循環し発展していく仕組みが、新しいビジネスやイノベーションを生み出している。そして、このことは、世界で発展戦略として用いられている”とのこと。これまでとは異なる人の関わりが何かを生み出していくとすれば、今生きる私たちのすべてが、それができる力を身に付ける必要があるのだと思います。